物忘れ外来
物忘れについて
人は誰でも物忘れをします。特に年齢を重ねるにつれて忘れやすくなることはやむを得ません。しかしながら、中には病気に伴って、ひどく物忘れをし、日常生活に支障を感じる方もいらっしゃいます。当院では、物忘れが増えて心配な方を対象に、その物忘れが年齢相応のものなのか、病的なものなのかを診察・検査で判断いたします。認知症や軽度認知機能障害であることが疑われる方には、血液検査やMRI検査などを実施し、原因を診断したうえで、治療につなげてまいります。治療開始後も患者様およびご家族の支えとなるようにサポートしてまいります。
このようなことがありましたら受診をお勧めします。
- ・何度も同じことを言ったり、聞いたりする。
- ・置き忘れやしまい忘れが増えた。
- ・人の名前が出てこない。
- ・日付や時間、場所が不確かになった。
- ・約束を忘れてしまう。
- ・周りのことに対して興味や関心が減ってきた。
- ・水道やガス栓の締め忘れが多くなった。
- ・トイレの後始末を忘れてしまう。
- ・お金やお薬の管理ができなくなってきた。
- ・財布やお金、家のものを盗まれたと言うことがある。
- ・最近、怒りっぽくなった。
- ・最近購入したものを再度購入してしまう。(新たに買う必要のないもの)
- ・計算の間違いが増えた。
- ・ご家族のお話の内容が理解できない。
- ・環境に合わない衣類(寒くても薄着、真夏でも厚着)を着てしまう。
診療・治療の流れ
診察受付後、物忘れ外来用の問診表をご記入いただきます。
(ご家族と一緒に来院された場合には、ご家族の方の記入が望ましいです。)
医師の問診・神経診察を受けた後に、認知機能検査を受けていただきます。
認知症・軽度認知機能障害が疑われる場合には、原因を調べるために血液検査や頭部MRI検査などを行います。血液検査の結果が揃うまでには約1週間ほどかかります。
検査結果をご説明し、診断に応じた治療プランをご提案いたします。
認知症をきたす代表的な疾患
よく知られるアルツハイマー病は最も多く、認知症全体の半数以上を占めると考えられています。 その他に血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが主な疾患として挙げられます。その他、甲状腺機能障害やビタミン欠乏、頭部打撲後に生じる慢性硬膜下血腫や脳腫瘍、肝性脳症、神経梅毒などの疾患の鑑別も必要です。
大切なこと
治すことが可能な認知症(Treatable Dementia)は、適切なタイミングで診断・治療を行えば以前の状態に戻すこともできます。一方で、アルツハイマー病のような回復が難しい疾患でも、進行を遅らせたり、症状を緩和することが早期であれば可能なこともあります。大切なことは、症状がひどくなる前に早めに診断・治療を開始することです。