くまざわ脳神経・内科クリニック

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秦野市柳町で脳神経内科・一般内科の診療を行っております。
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アルツハイマー病、新規アルツハイマー型認知症治療薬について

アルツハイマー病について

アルツハイマ―病は進行性に記憶や思考力が障害される疾患です。アルツハイマー病が原因で生じる認知症をアルツハイマー型認知症と呼びます。その原因の一つとして、脳内にアミロイドベータ(Aβ)という異常なタンパク質が蓄積することにより、神経細胞が障害され、脳の機能障害が生じると考えられています。

新規アルツハイマー型認知症治療薬:レカネマブ(レケンビ®)、ドナネマブ(ケサンラ®)について

レカネマブは2023年12月に、ドナネマブは2024年9月にそれぞれ薬事承認され、国内での使用が可能となりました。どちらもAβをターゲットとした抗体療法薬(点滴治療)ですが、レカネマブは主にAβが凝集する過程のプロトフィブリルに、ドナネマブは主にAβが凝集したアミロイド斑に作用すると考えられています。どちらも脳からAβを除去することでアルツハイマー病の進行を抑える効果がありますが、薬剤によって若干、対象となる患者さんの適応基準や点滴治療の頻度などが異なっております。治療期間は両剤とも原則1年半ですが、ドナネマブは治療期間中にアミロイド沈着が除去できたと確認できた場合は、その時点で治療を終了できます。

主な副作用には、注射部位での副反応や、MRIでみられるアミロイド関連画像異常(ARIA)が知られています。ARIAには、ARIA-H(MRIで確認される脳の微小出血)・ARIA-E(MRIで確認される脳のむくみ)の2つがあります。ARIAは無症状のことが多いですが、中には重症化することもあり、薬剤投与の際には定期的なMRI検査など、慎重なモニタリングが必要です。

当院での投与について

当院はアルツハイマー型認知症の新規治療薬を用いた治療のフォローアップ施設です。投与開始して半年以上経過した患者さんへの投与が可能な施設です。(注:対応可能な医師数・検査機器などの施設基準を満たさないため、当院での導入・初回投与はできません。)

     

当院にて新規治療薬を用いる際の流れ

①当院にて、診察および各種検査(神経心理検査・血液検査・画像検査など)をおこない、アルツハイマー病による軽度認知機能障害(MCI)もしくは軽度認知症であるかどうかを評価いたします。この際に新規アルツハイマー病薬の使用対象となるか判断いたします。

②新規アルツハイマー病薬の対象基準を満たし、その治療を希望されるようであれば、近隣の初回投与可能な連携医療機関(東海大学医学部付属病院・えびな脳神経クリニックなど)へご紹介いたします。
連携医療機関にてさらに追加の神経心理検査、画像検査、アミロイド病理の確認(アミロイドPETもしくは髄液検査)などが行われます。
注:検査の結果によっては、希望しても治療対象とならない場合もあります。対象基準を満たさない場合には、従来の治療を当院にて適切に行ってまいります。

③連携医療機関においても投与対象と認められれば、初回から6か月まで連携医療機関において点滴治療・定期画像検査をうけていただきます。
注:副作用などから投薬継続が困難な場合には、副作用が落ち着きしだい従来の治療に切り替えます。

④6か月以降においては当院にて治療継続が可能です。6か月~18か月後の治療終了まで当院にて点滴治療を継続します。
注:定期的な画像検査は当院ではなく連携医療機関において検査を受けてもらう必要があります。点滴治療終了後は従来の治療を行うことになります。

受付

午前診療時間 9:00-12:30
午後診療時間 14:30-18:00
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ー お休み
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※受付終了時間は午前は12:00まで、午後は17:30までです。